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炭火の温度管理(Heat Control)
燃え盛る炎でジュウジュウ音を立てながら焼くお肉はバーベキューの醍醐味といえるかもしれません。でも実はバーベキューに炎は禁物です。
炎でお肉を焼くと、焦げる原因にもなりますし、焼き加減にムラがでます。生の部分をそのまま食べれば食中毒を起こす可能性があります。
お肉は「炎」ではなく、「熱」で焼く。これが鉄則です。
そこでこのページでは、3つのポイントから炭火の温度管理をレクチャーいたします。
ミシシッピテスト
本題に入る前に「ミシシッピテスト」をご紹介します。
ミシシッピテストは温度計がない環境で、だいたいの温度を把握する方法です。野外のバーベキューなどには最適な方法です。
網(Grate)の上20cmくらいで手のひらをかざします。かざした瞬間から、「ワン・ミシシッピ」、「ツー・ミシシッピ」、「スリー・ミシシッピ」とカウントして、「熱っ!」と手を下げるまで、カウントしていきます。
何ミシシッピまで数えることができたかで、温度を図ります。
カウント数 | 温度 | 状態 |
1 | 650F | とても熱い Very Hot |
2~3 | 600F | 熱い Hot |
4~5 | 400F | まあまあ熱い Medium Hot |
6~7 | 350F | ちょうどいい Medium |
8~10 | 300F | ちょっと低い Medium Low |
12~15 | 250~275F | 低い Low |
650度!とびっくりしたかもしれませんが、これはファーレンハイト度(華氏)です。日本人にお馴染みなのはセルシウス度(摂氏 ℃)ですね。
セルシウス度からファーレンハイト度の変換方程式は
です。
つまり
となります。
ここはちょっとご自分で計算してみてくださいね。
3つの温度管理法
炭火の温度管理には大きく3つの方法があります。
- 空気孔(ベント)による管理
- 炭量による管理
- 炭位置による管理
です。
空気孔による管理(Vent Control)
蓋付きの炭火コンロには通常2つの空気孔(ベント)がついています。
基本的に、
- 開くと熱くなる
- 閉じると冷める
という感じで火力のコントロールをしていきます。
熱いと感じたらベントを閉めます。
コンロ下部のベントを開閉する場合には、その下に灰受けをおきましょう。
炭量による管理(Volume Control)
炭を追加することで火力の調整をする方法です。
ポイントは、
- サイドが開閉式の網を使うと便利
- 温度をみながらすこしずつ追加
- 豆炭の場合には火起こし器であらかじめ火をつけておくのが望ましい
炭の追加は危険を伴いますので、十分注意をして行なってください。
炭の位置による管理(Position Control)
炭の位置をコントロールすることでもコンロ内の火力を調整できます。
2段階火力調整(Two-Zone Fire)
・コンロの3分の2に炭をおきます。
・のこりの3分の1を炭を置かないセイフティーゾーンとして利用します。
これは日本でよく使わる一般的な炭火コンロでも活用できる方法です。コンロの端には炭火を置かないでおくと、焼けた食材の保温場所として重宝します。
3段階火力調整(Three-Zone Fire)
・コンロの端から3分の1に炭を2層で置きます。
・コンロの真ん中3分の1に炭を1層で置きます。
・のこりの3分の1をセーフティーゾーンとして利用します。
セーフティーゾーンを設けることで、お肉が焼け過ぎることを防ぎます。
最後にDrip-Panによる間接グリルを楽しむ方法です。
コンロの底面にセパレーターを置きます。このセパレーターの中に炭を入れます。真ん中には炭は置かず、ドリップパンと呼ばれる肉汁受けを置きます。
ドリップパンの上部の網の上に食材を置き、間接的な火力で食材に熱を通していきます。
通常は蓋をして空気孔で温度調整をしていきます。
これは固い食材(牛バラ)などを蒸し焼きにしたりするときにとられる方法です。実はこれがバーベキューの醍醐味です。
炭火の温度管理 補足
コンロ内の温度が上がりすぎた場合には、次の方法で温度を下げます。
・水につけておいた炭を燃えている炭の上に追加する。
・水鉄砲や霧吹きなどで、炭の熱を押さえる。
うまく活用して適切な温度管理を試みてください。
- ガスでのグリル
- スモーク
- インドアグリル